脳波同調 (志賀,2000)という現象があります。

Ver.U療法における脳波計測

Ver.U療法における脳波計測

人を介在させた様々な治療や、対人的やりとりにおける、二人の脳波の関連性に着目した研究により、互いの脳波がα波やθ波で同調しシンクロナイズすることが説明されており、この現象によって、心と身体のリラックス、自己治癒力を高めること、能力発揮などへの働きかけが生じるとされます。

これらの状態を得ることは、心理臨床の場面においても、とても重要であることが言えます。

A.H.マスローという心理学者は、臨床は対人関係を基礎として、「基本的欲求を」満足させることが重要で、それが「対人的投薬」となって治癒や向上につながることを述べています。 
この「対人的投薬」が、脳と脳のコミュニケーション、及び脳波同調で成されることが考えられます。

通常生活の場面で、人が他者と付き合う上で生じる“難しさ”の中には、互いの心の中のイメージと付き合うことも大きく含まれるでしょう。
つまり、他者と“真なる出会い”を得るには、他者というその存在だけでなく、他者の中にある“心のイメージ”とも真に出会うことが必要になります。

Ver.U療法によって起こる脳波同調は、クライアントから直接伝わるイメージや心象風景を取り扱うため、そのような内的イメージとの出会いが可能となり、クライアント主体のドラマの中へ、共に同行し、伴走する役割を担うことが可能になるようです。