人間の次元とケア

身体 脳を含む身体
身体のケア 適切な運動・食生活・睡眠・くつろぎ・排泄・仕事ができること・マッサージなど
身体のアビューズ 薬物(ドーピング)によるボディビルなどは身体を破壊させる恐れへ
知性 知力・知能・知識・理解力・考え・知恵・英知
知性のケア 勉強や研究をすること、物事の工夫、理解する、発明するなど
知性のアビューズ 働きすぎはメンタリティを破壊する恐れへ
心理 本能・衝動・情緒・感情・気分・機嫌・気持ち
心理のケア 緊張とリラックスが共にできること、ユーモア、笑うこと、真面目であること、喜ぶこと、悲しむことのバランス。状況を受容するように努力することなど。
心理のアビューズ 負けず嫌い、薬物によるハイ(興奮)な状態は心理を破壊する恐れへ
自由意志・善悪の判断・良心・誘惑・責任・賞罰・罪悪・倫理観・道徳
心のケア 真実を語ること、自分の言葉や約束に責任を持つこと、無責任な言葉を口に出さないこと、真面目に働くこと、頭を使うことなど。
心のアビューズ 偽りや嘘は心を破壊する恐れへ
スピリット 人間を超越させる能力
善の霊は心をはじめ知性・心理・身体を生かせる力・息・風・命であり、悪の霊は心などを破壊させる力
スピリチュアルケア=霊(spirit)のケア 困難を含む人生の意義、物事の背後を洞察すること、尊敬、感情、好奇心をもつこと、物を責任をもって使用することなど。
スピリットのアビューズ 無関心や感謝をせずに全てが当たり前のように考えるのは不健全なスピリットに主導権を握られることになりかねない恐れへ
不滅な自分・自我
魂のケア 祈り、瞑想、自己尊敬など。
魂のアビューズ 自分自身をだめな人間として把握することは絶望を招き、また、自身を“より高く”と向かう意識にとらわれすぎると高次神経症に陥り、魂(自分自身の存在そのもの)の破壊と結びつく恐れへ

人間はスピリットを通して、自分自身を始め、
物質の世界の現象を超越する力をもち…、
本能や衝動に任せたままではなく、
自分の意志で行動し、自分自身の存在や、
存在そのものを把握する能力をもつものであります。
人間は人生の意味、特に困難と苦労の意味を
追求する力を持つものとされます。

自分自身がどこから来て、どこへ行くのか、生と死、喜びや困難、
成功と失敗、健康や病気が伴う人生の意味は何だろうかと探究する

→ 全人的ケアに不可欠な要素
スピリチュアルケア・・・スピリット=パワーをケア・育成
“全人”とは、身体的な障害、知性のIQ度に関係なく、自分に与えられている能力・才能をバランスよく使って生きている人を指すもので、全人的ケアは、本人のもっている、その人に与えられている能力、長所や価値観を把握する努力をしつつ、本人の意志を尊重して行うものであります。
ヴァルデマール・キッペス編,2001: 『心と魂の叫びに応えて』より主要抜粋